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スピーカーの箱鳴りについて [オーディオ]

私が「スピーカーの箱鳴り」と読んでいるのは、スピーカーの箱を構成している側面や上面の板が振動していることを指します。なぜ、箱が振動してはいけないかと言いますと、箱の振動=箱から不要な音が出て、また、箱の振動がスピーカーに伝わり音を劣化させるからです。現実に箱鳴りが始まったスピーカーの音は、音像がはっきりせず霞みがかったような音になります。また、箱鳴りするスピーカーの中には、スピーカーの裏側に出た音が箱内の板で反射し、再びスピーカーを通してスピーカーの直接音と混じることにより、音を悪くしている場合もあると思います。

原因は大きくわけて3つあると思います。
1つはスピーカーBOX用板材です。スピーカーを駆動しても、箱が振動しないためには 固くて重い材料を使う必要があります。特にスピーカー取付面であるバッフル面の板材が重要です。また、いくら板材が固いものでも薄板では意味がありません。私のスピーカー自作の経験上では、パーティクルボードなら板厚12mm以上、MDF板なら15mm以上が望ましいです。参考までに板の硬さの目安として板の比重を掲載します。
 パーティルボード 0.72
 フィンランドバーチ材 0.7
 MDF板 0.61
 ラワン構造用合板、JASコンパネ 0.60~0.64
 針葉樹合板(表面針葉樹、内部ラワン) 0.58

2つ目は吸音材の材質と量です。私は主にバスレフ型スピーカーを自作していますし、市販のブックシェルフ型スピーカーはほとんどバスレフ型を採用しているので、話をバスレフに限定します。バスレフは吸音材を入れすぎるとバスレフポートから出したい低音が出なくなります。しかし、あまりに少ないとスピーカーの裏側に出た音が悪さをします。まず、ツイーターの裏にはしっかり吸音材を入れます。次にウーファーまたはフルレンジスピーカーの真後ろにある程度のボリュームの吸音材を入れます。この時、バスレフポートへ通じる空気室はできるだけ広く取ります。吸音材の材質はグラスウールがベストです。フェルトの場合は使用したことがありませんが、トライアンドエラーで最適値を決める作業が必要だと思います。自分が音楽を聴く最大の音量で箱鳴りしない量を入れるべきです。

3つ目はスピーカーボックス(箱)の構造です。バッフル面と側板・天板・底板がいかに強固に固定されているかがまず大切です。あと、箱内が共鳴箱にならないように、スピーカー裏に出た音をいかに分散し、吸音材が音を吸収しやすい構造にするかです。箱内に補強用の仕切り板を入れることは箱の強度アップと箱内構造を非対称にすることで、鳴りにくくすることになります。また、スピーカーの真後ろに音を拡散させるための邪魔な三角形の板を斜めに配置することも効果的です。最も音を汚くするのは、スピーカー真裏に出た音が箱内の板で反射して再び、スピーカーを通して出てきて、スピーカーからの直接音と混じった時だからです。第一に強固な箱にすること。第二に反射音をなくす、第三に箱内に補強板を複数配置して、構造として共鳴箱になることを防ぐことだと思います。

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柴田茂壽

初めまして。先日来、ダブルバスレフ箱キットを組み上げて鳴らしたところ意外と箱鳴きが強かったので、ホームセンターで三角材を買って内側スピーカーの背面と側面に貼りました。その結果330ヘルツ、960ヘルツの鳴きが半減しました。振動測定法が解りませんので耳での判断ですが、歌声が美しく聞こえるようになりました。昔ソニーの業務用テレコモニターは音質が良くて評判でしたが、箱を開けてみたらダイアトーンスピーカーの背面に山形の衝立と小量の吸音フェルトが入っていました。立方体の箱は定在波が付きまといますが、近年メーカーは特性重視で、音質向上にはあまり力を入れていませんね。これからも箱鳴き問題を提起し続けたいただたく切にお願いする次第です。
by 柴田茂壽 (2021-04-24 20:55) 

T.Y.

反応遅くてすみません。
私の箱鳴きについて同意見をいただき、うれしい限りです。
私はスピーカーの真後ろに三角形の板を斜めに立てると書きましたが、日時計のように三角形の板を固定し、側板・背板・天板どの板とも向かい合わせにならないような向きで取り付けることを斜めに付けるといっています。ブログでは舌足らずでしたが、実は、この三角形の板にグラスウールをかぶせ、グラスウールの山を作ります、そうすることで中高温を分散させます。長岡鉄男さんは、スピーカーの真裏にザルにふわっとグラスウールを取り付けて反射音を防いだ工作例があります。それに似ていますが、かなり効果があります。少ないグラスウールで箱鳴りが収まります。ご参考になれば恐縮です。
by T.Y. (2021-07-04 20:53) 

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