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カレン・シルクウッドの死 [原子力発電]

「カレン・シルクウッドの死」という実話のルポルタージュものの本を読みました。
アメリカのオクラホマ州で彼女は28歳という若さで不可思議な自動車事故で謎の死を遂げた。カー・マギー社という原子力発電または実験炉用の燃料棒製造工場で働いていた。工場内のプルトニウム汚染のひどさや欠陥のある燃料棒をごまかして納品されるなどずさんな品質管理状態に腹を立てていた。たまたま、参加した組合活動の中で、労働者の環境改善ができるかもしれないと思い、身を投じていった。しかし、会社側は環境管理の落ち度を認めず、国の管理監督機関(アメリカ原子力委員会(AES))も認識しなかった。そこで、最後の手段、内部告発のために資料を持って、新聞社の記者に会いに行く途中に事故にあった。警察もFBIも真剣には調査せず、薬の乱用と飲酒による自損事故で片づけられてしまった。家族は名誉回復のため民事裁判で争った。弁護士の地道で血のにじむような努力、脅迫にも屈せず、名誉は回復された。彼女は何者かの車に追いかけられ、押しだされ、逃げようとして大きく道をそれたのち、川の側壁に激突して亡くなったのだった。しかし、誰も罰せられない。この本のなかでは、燃料棒製造会社-AES-FBI-警察がすべてグルになって、真実をもみけそうとしていると推定している。
当時のAESは原子力発電を推進する立場の省庁の中に属していました。日本の原子力安全・保安院も経済産業省(=従来は原子力産業推進の立場)に属しており、その独立性に疑問が持たれます。
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セシウム 魚への濃縮について [原子力発電]

社団法人日本アイソトープ協会の会誌で、財団法人海洋生物環境研究所が1999年に発表した論文で海中のセシウム137(CS-137)の濃度や魚への濃縮について記載されています。

報道機関が流している水産庁の見解が正しいのか、論文の記載が正しいのか、自分の目で見て判断する必要が個々人に求められていると思います。

http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=radioisotopes1952&cdvol=48&noissue=4&startpage=266&lang=en&from=jnlabstract
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原子力発電-3 技術論 [原子力発電]

 私は原子力発電の専門家でもないし、仕事で携わったことはありません。しかし、機械系の技術屋として言えることはあると思います。
 原子力発電プラントの建屋は、建築屋の仕事ですが、格納容器から発電設備までは機械屋の仕事です。
 大学では、原子力発電特有の知識は勉強しません(原子核専攻なら別かもしれませんが、そのような学科を設置している大学はわずかです)。特有の知識とは、たとえば構造材で主に使う鉄やステンレス材に対する放射線の影響です。材料の特性である、ヤング率や降伏点、脆性特性などは放射線によって変化するはずです。特にBWRの場合は、放射能を含む水を蒸気タービンまで導くため、タービンの羽根は放射線にさらされます。もともと火力発電所の蒸気より、原子力発電の蒸気は湿り度が高い(蒸気中に水滴が多い/出典http://www.toshiba.co.jp/nuclearenergy/kangaeru/iec-pa4.htm)ためタービンの羽根が損傷しやすいので(エロージョンとかコロージョンとか呼ばれます)、放射線による材料劣化は寿命に影響を与えます(通常、金属材料に放射線が当たって寿命が延びることはありません)。
 企業のノウハウで蓄積があるかもしれませんが、もともと海外のGEやウエスチングハウスから輸入した技術で最初から日本企業に技術の蓄積があったとは思えません。
 放射線もα線、γ線、β線、中性子線などがあります。それぞれ影響が違うはずです。
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原子力発電-2 電気は選べない [原子力発電]

 私たちが電気を使う時、その電気が何で作られたか選べません。
 現在、約30%の電気は原子力発電で作られています。それがいやだとしても、拒否する方法がありません。
 たとえば、現在起こっている福島第一原発の事故を見て、原子力発電をやめてほしいと思ったとします。でも、今や電気なしの生活はできません。そうすると、原子力発電で作られた電気を毎日30%使いながら、原子力発電をやめろと言わなくてはなりません。私たちは自己矛盾を起こします。
 もし、近くの原子力発電所が事故を起こして、放射能汚染の被害に遭ったとします。それまで、毎日電気を使っていたら、放射能汚染に遭ったということでは被害者ですが、電気を使い続けていたということは、30%は原子力発電の電気を使っていますから、30%は加害者です。
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原子力発電-1 特許と原子力 [原子力発電]

 私が技術屋として1987年に企業(製造業)に入って一番驚いたのは、特許を取得する際の注意として、「原子力発電に関する特許は、技術的に未完成なため取得できない。」と知的財産担当者に説明されたことです。当時、既に何十基という原発が稼働している時です。何ということだ。そんな未完成のものをなぜ商業ベースに乗せてしまったのか?これを開発した技術者は責任を感じるべきだと思いました。
 この特許の未完成という定義は1993年に廃止されたようですが、商業ベースの原子力発電が1970年から開始されて、23年間で46基まで増えるまで「未完成」技術のままであったという事実は残ります。
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